人気の金融機関
住宅ローンを取り扱っている金融機関は銀行だけではありません。金融自由化以降さまざまな業種から新規参入が行なわれ、それぞの会社が独自のサービスを行なっています。
また公的機関でも独自の住宅ローンを提供しているところもあります。自由化以前と比べると選択肢の幅は大きく広がったといえます。
ここでは柔軟な発想で独自のサービスを提供しており、話題になっている金融機関の住宅ローンを紹介します。
楽天モーゲージ
楽天モーゲージは新生銀行との共同出資で設立された、モーゲージ専門の金融機関です。オンラインに特化したオンライン専門の住宅ローンと言えます。
オンラインのモーゲージ会社は、コスト削減のために実店舗による対面販売を一切行なっていません。そのため、店舗で顔を合わせて質問のやり取りを行うことはできません。 対面で説明を受けられない分、借りるほうも住宅ローンについて事前にしっかりに勉強しておく必要があります。諸費用は、名目は違うものの銀行系の住宅ローンと同じように手数料や保証料がかかります。
住宅ローンを検討する際には比較の方法に注意しましょう。金利だけみると非常にお得に見える住宅ローンでも、その他の費用が高いこともあります。そのため住宅ローンを比較する際には金利は金利のみで、その他の費用はその他の費用と分けて比較するとよいでしょう。
楽天モーゲージは、団体生命保険や損害保険などは加入者負担です。銀行系は保険料分を金利に上乗せしているため、金利が高くなっているように見えます。保険料など具体的な費用の明細の把握という点では楽天モーゲージの方が分かりやすいといえます。
実店舗を持たない分コストがかからないため、フラット35では楽天モーゲージの金利が安く一番人気となっています。新生銀行と提携しているだけあって、オンラインと言えどもサービスは充実しています。きめの細かな説明が施され、24時間サポート体制がとられているのは評価できるポイントです。
また楽天モーゲージでは親子リレー返済ができるため70歳以上の方でも申込みが可能です。このあたりでも銀行系と変わらぬ利便性が図られています。
住信SBIネットバンク
住信SBIネットバンクは住友信託銀行株式会社とSBIホールディングス株式会社との共同出資で設立されたインターネット専業の銀行です。
住信SBIネットバンクのフラット35の特徴は優遇金利制度が2種類あって、段階的な当初優遇型と通年優遇型があり、ある程度切り上げ返済を想定している人には、旨味のある住宅ローンシステムになっていると言えます。
当初優遇型のフラット35の場合、15年までは-1.5%優遇され、20年以後は-2.2%となります。固定金利型は全期間、基準金利より年−1.3%優遇されます。
当初優遇型の場合、基準金利が変動金利に近い金利になっているため、当初の返済額が少なくて済みます。このあたりの設定はいかにも信託銀行の貸し出し方法と言えます。
繰り上げ返済に適した住宅ローンと言えます。
東京スター銀行
東京スター銀行の特徴は、実店舗を展開しながら従来の銀行業務と同時に投資業務にも力を入れている点です。
実店舗も銀行の支店感覚と言うより、投資コンサルタントの拠点と言ったもので、住宅ローンに関しても一般の銀行とオンラインのモーゲージ専門銀行の中間的な性格と言えます。
東京スター銀行で口座を持っている人や資産運用をしている人には、預金連動の住宅ローンは低金利で魅力的な商品です。
また不動産投資ローンなど、投資に特化した住宅ローンも用意されていますから、住居購入ではなく投資物件の購入を考えている方は十分検討にする価値がある銀行と言えます。
東京スター銀行のリバースモーゲージは、自宅を担保として融資を受けるもので、住宅ローンとは逆の発想で話題になっています。
JA住宅ローン
JA住宅ローンのローンは、全国にあるJAのネットワークを利用した、農協の金融機関が行なう住宅ローンです。正組合員もしくは、准組合員しか住宅ローンを利用することはできません。JAの正組合員は農業者等が条件ですが、農業をやっていない方でも准会員になることは可能です。
審査基準が銀行系などと比べると低く、勤続年数も3年以上と言うことで、転職の多い人でも審査基準を満たしやすいのが大きな特徴です。
金利のみを考えるともっと金利の低い住宅ローンが他にあるので、それらの審査基準を満たしている方にはメインの住宅ローンとしては向かないかもしれません。セカンドローンとして検討するにはよいでしょう。