住宅ローンの決めて
住宅ローンを選ぶ上で大切な金利。表面金利と呼ばれる額面だけの金利で比較するのは間違いです。住宅ローンには手数料や経費などいろいろな費用があります。それらの費用を加えた上で比較をしなければ、正しく比較することはできません。
金利だけではなく、住宅ローンに付帯する諸費用も比較検討することで、ご自分にあった住宅ローンを選びましょう。
固定金利か変動金利か
住宅ローンでまず考えるのは固定金利を選ぶか変動金利を選ぶかということです。
変動金利は政府が設定するプライムレート(公定歩合)により変化します。固定金利は借りた時の金利が変わらない。固定金利にはフラット35に代表される全期間固定のものと、一定期間固定金利のものとがあります。
基本的には、長期ローンである住宅ローンの場合、金利変動がないフラット35を中心に組むのが普通ですが、フラット35だけで、住宅購入資金を賄う事は出来ませんから、他の住宅ローンも併用する事になります。
その場合、固定金利か変動金利かによりますが、将来的な金利変動を考えれば、現在のプライムレートは異例な低水準と言えますから、固定金利が望ましいと言えます。
ただしフラット35のように全期間固定ではなく、一定期間固定金利の住宅ローンになります。
一定期間固定金利の場合は、3年、5年、10年のものに分かれますが、固定期間が長くなれば、金利も高くなりますが、それだけ市場の金利変動に影響されません。
従って住宅ローンのフラット35以外のローンをどうするかが問題になります。
基本的な考え方としてはローン金利を短期の3年モノから長期へ変更することも、また逆も可能ですから、プライムレートの動向次第で有利か不利か決まってきます。
できれば長期固定が望ましくても、変動金利と固定金利とでは、かなりの差がありますから、フラット35とその他の住宅ローンとの返済額のバランスで判断する事をお勧めします。
優遇金利について
優遇金利とは、金融機関の通常の金利の他にキャンペーン金利と言う形で、通常金利よりも低い金利で貸し出される住宅ローンの金利のことを言います。
3年ぐらいの期間限定の場合が多く、その後は店頭金利に戻される場合がほとんどですが、中にはその後も優遇分は低くなりますが、引き続き一定の優遇金利が適用される場合もあります。
ソニー銀行の「ソニーバンク住宅ローン」は、優遇金利が全期間に適用されるようなケースもありまますが、異例といえるケースです。
住宅購入との兼ね合いがありますから、キャンペーン中に上手くタイミングがあえば有利な優遇金利で住宅ローンを借りることが出来ますが、慌てて申し込んで後で計算すると総返済額ではあまり有利でないということもありますから、慎重に比較検討することをお勧めします。
目先の金利より、返済額全体を見て判断するようにして下さい。
ライフスタイル・プランからのアプローチ
ライフスタイルやプランがどうあれ、基本は長期ローンの住宅ローンが良いとされ、長期ローンで固定金利であれば、毎月の返済額が抑えられて、安全でありしっかりした予想の上で返済計画が立てられます。
その上で、繰上げ返済や借り換えなどを考えるべきで、始めから返済期間を短くしたり、目先の金利だけをみていたのでは、最適な住宅ローンを組み込んだ資金計画は立てられません。
返済に対して許容範囲を多くとる、言い換えれば余裕のある返済計画を立てる事がライフスタイルやプランに適合した資金計画になるわけです。
将来何が起こるか分かりませんから、返済に余裕があれば、問題があった時、対応ができますし、余裕があれば繰り上げ返済も可能になります。
問題となるのは、予想外の出費や支出と言う事になりますが、子供教育費や交通事故などいろいろ考えられますから、住宅ローンの金利の動向とともに、ご自分の収入や支出についても一定の許容範囲をみておくことが必要です。
子供が生まれたり、家族が独立したり死亡したりすれば、ライフスタイルは変わります。
ライフプランはあくまで計画であって、固定ではありませんから、ライフスタイルが変われば、住宅ローンの返済計画も変わってきます。
できればファイナンシャルプランナーなど資産管理のプロに相談するのも、良いでしょう。
返済シミュレーションで分かる事
最近では、金融機関のホームページや、住宅ローンの専門サイトなどにあるシミュレーションは、かなりこったものが出来てきて、単純な返済額の算出だけでなく、収入に対して妥当な資金計画かどうかも判断してくれます。
実際に住宅ローンを組んだ場合の、収入に対して適正な返済額から、資金計画を判断されれば、基本的な資金計画の良し悪しが分かってきます。
この段階で十分な検討を行なうためには、住宅の購入する判断材料としては、かなり参考になります。
どうしても住宅の購入が必要な場合は、購入対象の物件を、価格の低い物件などにするよう検討する必要がでてきますが、大まかな判断材料として参考にすべきで、ご自身の預貯金の見直しや、保険や貯蓄の見直しなどのきっかけにすると良いと言えます。
返済シミュレーションからはっきり分かる事は、ご自分の返済能力と言えるもので、あくまで概算の収入と家族構成などの要素を加味した、参考モデルとみるべきです。
住宅ローンと購入財産のバランス
今の住宅ローンは、簡単に言えば購入する住宅を担保としてローンを借りるわけですから、資産価値がある住宅で、借り手の返済能力や返済の遅れなどの問題がなければ、住宅ローンは下りるはずです。
ここで問題になるのは、購入物件が住宅ローンで多額の債務を負うほどの価値があるかと言う事です。
住宅購入を財産を増やすことを考えるならば、当然投資に対して相応の値上がりがあるかどうかです。
マンションなどでは、財産価値としては、意味がありません。
バブルの時にマンションも値上がりしましたが、本来マンションの価値は減っていくもので、年とともに減価償却されて、下がるのが当たり前です。
従って建築後ある期間を過ぎれば、余程立地の良い場所以外では、極端に価格が下がってしまいます。
そうした住宅を財産形成の目的で購入する事は、意味をなさない事はお分かりと思います。
住宅を財産と増やす目的で購入するのであれば、マンションなどの共同住宅の購入は避けるべきです。
銀行とモーゲージの住宅ローン
住宅ローンで一番変わったことは、住宅金融公庫の代わりに、民間金融機関が住宅ローンの主役になった事ですが、民間金融機関は銀行ばかりではなく、モーゲージと言われる住宅ローンを専門にした金融機関が出現したことです。
銀行と違って住宅ローンに専門にしているため、モーゲージの会社は銀行より有利な条件の住宅ローンが多いと言えますが、銀行のように保証料を取る替わりに、事務手数料と言う形で高額な金額を取るところがほとんどです。
銀行と比べて金利が安い分、こうした事務手数料や生命保険料などが借り手の負担となりますから、金利の差ほどは有利とはいえませんが、競争が激しい分サービスも向上して、繰上げ返済を無料でできるとか、全期間固定金利の住宅ローンも用意しているところもあります。
モーゲージ会社は、ソニーやソフトバンク、楽天、また積水ハウスなどの建設会社なども行なっておりますが、その多くは店舗を持たず、インターネットなどで申し込みから審査まで行うため、初めての人には不安な部分はあります。
その点を気にしなければ、十分に選択肢として有力な金融機関と言えましょう。
SBIモーゲージ(フラット35)
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